ペットボトルを水平リサイクル 鳥羽志勢広域連合 サントリーグループと協定

【協定を結んだ北村サステナビリティ推進部長(左から2人目)と鳥羽志勢広域連合の3市町長=志摩市役所で】

【志摩】住民から回収した使用済みのペットボトルを再びペットボトルにする水平リサイクル「ボトルtoボトル」に取り組むため、三重県の志摩市や鳥羽市、南伊勢町で構成する鳥羽志勢広域連合はこのほど、サントリーグループと協定を結んだ。

PETボトルリサイクル推進協議会によると、令和3年度の全国のペットボトルのリサイクル率は86%だったが、国内の回収量に対してペットボトルに再生されたのは20・3%。同連合でも昨年度、搬入された193トンのペットボトルのほとんどは繊維やトレーなどに再利用され、最終的には焼却されることが多いという。

今回は環境問題への意識や取り組みへの方向性、循環型社会の実現への思いが合致し、協定締結に至った。サントリーグループが学校への出張授業やポスター掲示などの啓発活動を行い、回収した全量をペットボトルに再生する流れを見える化して住民のリサイクル意識向上につなげていく。

「ボトルtoボトル」の水平リサイクルは来年度から開始。住民から資源物として出されたペットボトルを各市町が収集して、同連合での中間処理を経てリサイクル事業者に渡され、サントリー製飲料のペットボトルとして再生し、流通を確立する。石油由来原料から新たにペットボトルを作るのに比べ、二酸化炭素(CO2)を約60%削減できるという。

志摩市役所で締結式があり、同連合長の橋爪政吉志摩市長や中村欣一郎鳥羽市長、上村久仁南伊勢町長ら関係者が出席した。

橋爪志摩市長は「カーボンニュートラルを加速させる取り組みとして、サントリーグループとタッグを組んで進めていきたい」、サントリーホールディングスの北村暢康サステナビリティ推進部長は「鳥羽志勢広域連合や関係市町との連携を深め、地域の皆さまと一緒になって持続可能な循環型社会の実現に向けて努力していきたい」と話した。