伊勢新聞

事務処理ミス多発で陳謝 三重県知事、臨時庁議で再発防止指示

【臨時庁議で不適切な事務処理の再発防止を指示する一見知事(右奥)=県庁で】

公文書の紛失や個人情報の流出といった不適切な事務処理が多発していることを受け、三重県は5日、部局長らを集めて臨時庁議を開いた。事務処理ミスが相次いだ部局の幹部らが謝罪。一見勝之知事は、再発防止策の策定や徹底を職員らに指示した。

県によると、本年度に入ってから発生した不適切な事務処理は、県教委を含めて10件。うち公文書の紛失が4件、個人情報の流出が6件に上る。10件のうち、8件は先月以降に公表された。

この日の会議では、公文書の不適切な取り扱いに関する公表の指針を改定。報告先の筆頭を法務・文書課から知事に変更したほか、不適切な取り扱いに当たるかどうかが不明な段階でも報告するよう義務付けた。

また、中村徳久子ども・福祉部長、小倉康彦医療保健部長、福永和伸教育長が事案の概要を報告した上で謝罪。福永教育長は「県民に深くおわび申し上げる。気の緩みがあったと言わざるを得ない」と述べた。

一見知事は「公務に携わる者としての自覚を再確認してほしい」と述べ、事務処理ミスが発生した部局に原因の究明や再発防止策の策定を指示。「他の部局も他山の石として注意喚起するように」と促した。

一見知事は会議後の記者会見で「県民の信頼を裏切ることとなり、おわび申し上げる」と陳謝。「どうして起きたのか、二度と起こさないためにどうしたら良いのかを各部局で検討し、横展開する」と述べた。

一方、関係者によると、県警本部の執務室で5日午後、公文書とみられる複数の書類が開いていた窓から屋外に吹き飛んだという。議会関係の資料だったとみられる。県警は事案を公表していない。

この事案について、一見知事は県警から報告を受けていないと説明。「(文書を)探しに行っているのかもしれない。文書の中身にもよるが、個人情報が入っていれば由々しき事態ではある」と語った。