【亀山】三重県と三重大学、同大学みえ防災・減災センター、津地方気象台は9月30日、亀山市若山町の市社会福祉センターで、令和5年度「みえ風水害対策の日シンポジウム」を開催し、市内外から110人が参加した。
県は、伊勢湾台風が襲来した昭和34年9月26日を同対策の日と定め、同シンポジウムを毎年開催している。
一見勝之知事は「6月には県南部に観測史上初めて線状降水帯が発生し、顕著な大雨に関する気象情報が発令された」「県民の命を守るため、県庁内に大規模災害に対応する常設のオペレーションルームを設置した」と述べ、「外国人を視点に風水害についてしっかり学んでください」とあいさつした。
櫻井義之市長は「地球温暖化による気候変動などにより近年、風水害は急激に激化している。風水害対策の充実強化が不可欠と再認識している」と話した。
シンポジウムは「外国人住民を含めた共助について」をテーマに、ダイバーシティ研究所の楊梓研究主幹が「外国人を交えた地域防災」について、同気象台の本松雅彦台長が「防災情報の多言語化と線状降水帯」についてそれぞれ講演した。
パネルディスカッションでは、外国人防災リーダーのアラウコ・マリアさん、県国際交流財団の上原ジャンカルロ主査と、Suzukame Amigosの井伊サンドラ代表、みえ防災コーディネーターでかめやま防災ネットワークメンバーの松隅潤治さんの4人が意見を述べた。
アラウコさんは「外国人は災害に対する知識が乏しく、地域の避難訓練などへの参加を呼びかけている」、井伊さんは「避難所生活で提供される食事は外国人の口に合わないので、口に合うように工夫していただけるとありがたい」、上原さんは「避難してきた外国人に情報提供と避難所生活のルールを伝えることが重要」と話した。