伊勢新聞

2023年10月1日(日)

▼ようやく10月の声を聞き、猛暑の夏が終わって秋がやって来た。これで、毎日のように聞いてきた「記録的な」「異例の」という言葉を聞かなくて済むのだろうか? 「平年並み」「例年通り」の秋になるのだろうか?

▼気象庁によると、「平年(値)」とは「平均的な気候状態を表すときの用語」で「10年ごとに更新した30年間の平均値」を用いるという。つまり、現在使われ2030年まで使われる「平年値」は1991年から2020年までの平均値だ。また「例年」は気象用語ではないが、「いつもの年」(三省堂国語辞典)という意味で、「例年だとこの季節には」というように使われる

▼今年の猛暑が地球温暖化が原因なのは明白。世界中の気象機関が「観測史上最も暑い夏」と報告し、WHO(世界気象機関)は、もはや1・5℃抑制は絶望的と警告した

▼気象庁には、季節の定義がある。それによると春は「3月から5月」夏は「6月から8月」秋は「9月から11月」冬は「12月から2月」となっている。もうこの定義は変えるべきだろう。この秋も「記録的な」「異例の」を何度も聞くに違いない。