大学卒業後は三重県内に戻る「Uターン就職」などを促す施策に生かそうと、一見勝之知事は27日、県立津高(津市新町3丁目)の2年生6人から転出の予定などを聞き取った。5人が県外での進学を検討しつつ「良い仕事があれば三重に帰ってきたい」との声が相次いだ。
転出超過数の約8割を占める29歳以下の若者と「住み続けたい、帰ってきたい三重」をテーマに語る「みえU18会議」と題した取り組み。意見交換は、いなべ総合学園(いなべ市)に次いで2校目となる。
一見知事による聞き取りでは、4人の生徒が県外での進学を志望していると回答。残る2人のうち1人は県内外を問わずに検討しているといい、県内での進学に絞っていると答えたのは1人だけだった。
県外での進学を志望している生徒会長の竹内雅人さん(17)=名張市=は「県には執着がない」と回答。多くの生徒が県外での進学を希望する理由に「都会の利便性」や「就職活動のしやすさ」を挙げた。
一方、県内での進学を志望する谷口美優さん(17)=松阪市=は「三重には優しい人が多い。食べ物もおいしい」と県の魅力を語りつつ「車を使っても国道は渋滞している」と、交通の不便さを課題に挙げた。
一見知事は「将来は三重に帰ってきてほしい思いがある」と述べ、県外に転出した若者に県内の就職先などを紹介する電子メールを送ることを提案。生徒らは「心の支えにもなる」などと賛同していた。