伊勢新聞

2023年9月16日(土)

▼岸田改造内閣がスタートした。支持率低迷から「刷新」が標榜されたが実現できず、「女性登用」が目玉になった。その結果、女性閣僚は五人に増えたが、「ウケ狙い登用」は見え見え

▼男性議員にある派閥均衡、当選回数という「内輪の掟」は適用されず、単なる「二世」登用ばかりになった。これはダブルスタンダード。見方を変えれば「女性蔑視」だ

▼自民党は「指導的地位に占める女性割合を30%程度に引き上げる」という政府目標がありながら、女性議員を育ててこなかった。女性を「客寄せパンダ」「壁の花」としか扱わなかったから、人材が枯渇。「エッフェルるい」「ブライダルまさこ」「ドリルゆうこ」では登用しようがなく、今回の苦し紛れの員数合わせになった

▼現在、日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中125位で過去最低。「政治参加」では138位と絶望的に低い

▼政党に男女同数の候補者擁立を促す「政治分野の男女共同参画推進法」がありながら、自民党の国会議員に占める女性比率はたったの11%。女性議員を増やすには、まず男性老害議員を退場させるべきではないか。