▼地域の小学校いくつかと一つの中学校をまとめて「施設一体型の整備を検討」。小中一貫校にするという。児童生徒の減少で学校施設を統合するよくある「学校再編計画」に見えるが、鈴鹿市教委によると、近隣高等教育機関との連携による先進的な取り組みや、特色ある教育活動を通じて地域活性化が期待できるという
▼どうして児童減少前に発案できなかったかという気にもなるが、窮すれば通ずということか。対象の4小のうち3小を令和8年度にまず開校させ、その6年後を“めど”に、その結構な小中一貫の義務教育校を設置するという。地域が活性化するまで、ずいぶん長い間、住民らは絵に描いた餅を見続けさせられることになる
▼住民に説明した市教委でも、活性化の実現を実際に見る職員はいないのではないか。真っ先に現場を離れていよう廣田隆延教育長は「社会がグローバル化していく中で、子どもたちはある程度の人数の中で過ごすことが重要と考えている」。かつて少人数学級を目指したこともあろう
▼「まとまった地域なので複式学級にするのはもったいない」とも。何が「もったいない」のかよく分からぬが、だから登下校はスクールバスを運行するというのは矛盾していないか。児童減少以来、統廃合ありきではないと言いながら統廃合をを正当化する案しか出されないことが、住民の大きな不満だろう
▼説明会では多くの反対意見が出た。20日まで募集する意見を含め、市教委がその内容を独自に解釈して回答を作成し、もって理解を得たとするおなじみの手続きはやめてもらいたい。