虚偽の文書を裁判所に提出 三重県教委事務局の班長を免職

【定例記者会見で教職員の懲戒処分を発表する福永教育長=県庁で】

虚偽の出勤表を民事訴訟の証拠として提出したとして、三重県教委は4日、県教委研修企画・支援課の女性班長(50)を懲戒免職処分とした。部活動の遠征で校長の承認を得ずに部員らをテーマパークに立ち寄らせたとして、県立四日市商業高の男性教諭(60)を減給10分の1(2月)の懲戒処分とした。

県教委によると、女性班長は昨年5月、自身が提起された損害賠償請求の訴訟で、特定の日に実際は休暇を取得していたにもかかわらず、勤務していたとする虚偽の出勤表を作成し、津地裁に提出した。

女性班長は県のシステムから印刷した勤務表に、自宅のパソコンで作成した虚偽の表を貼り付けていた。県教委は原告から通報を受けて把握した。無印公文書変造などの罪で女性班長を告発する方針。

女性班長の出勤記録は訴訟で争点の1つだった。県教委の聞き取りには「原告から逃れたい思いで作りかえる考えにしか至らなかった」と説明。「やってしまったことに向き合い、反省する」と話している。

男性教諭は昨年8月上旬に徳島県内で開かれた高校総体に運動部の顧問として参加した帰りに、校長の承認を得ずに部員ら八人をユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市)に立ち寄らせた。

また、男性教諭は別の顧問の宿泊費を学校に対して過大に請求。2万3100円を不正に受け取り、教職員でないトレーナーの宿泊費などに充てた。「浅はかな考えで許されないことをした」と話している。

福永和伸教育長は定例記者会見で「公教育の信頼を大きく損なった」と陳謝。「コンプライアンスミーティングなどを通じて公文書の取り扱いを徹底させる。自らの行動が与える影響も認識させる」と述べた。