▼倒木などをチェーンソーで切断する「防災の日」1日前の四日市南署の訓練の写真を見て少し懐かしい気がした。防災服の知事がヘリコプターから降りてきて市町村や警察、消防、医療機関などが参加した大規模防災訓練が始まる。そんな様子を毎年取材していた。国の担当職員が多忙で、今年は防災の日前後の予定は立たないらしいが、アナウンス効果からはどうか
▼「県民の命を守るための大きな一歩」と一見勝之知事が胸を張ったのは、災害時に情報収集などの初動対応に使う「オペレーションルーム」の完成を視察した先月28日だ。防災ヘリの映像や河川の状況をリアルタイムで表示する19台のモニターや、スクリーン上にメモ書きができる電子黒板を備えて、発災直後から迅速・的確に活動する。1日から運用を始めた
▼昨年は図上訓練でシミュレーションの充実が言われた。災害対策も、IT技術の重要度が増している。海外の人気SFテレビドラマ『スタートレック』の初期の作品で、惑星間戦争の話がある。実戦消耗が激しいからと、パネル上での模擬戦争に切り替えた
▼犠牲者がカウントされると、その分、互いに国民を処刑室に送る。ぞっとするが、実際に血を見ないので為政者らは効率のいい戦争だとしていつまでも続けるという趣旨。オペレーションルームの報道を見ながらふとそんな物語を連想したが、現実の訓練を抜きにして自然災害対策や救援活動がスムーズにいくものかどうか
▼AI(人工知能)の評価をもとに判断し四歳児を死なせてしまった児童相談所の対応を連想したりもする。