伊勢新聞

2023年7月22日(土)

▼少子化が大問題になっているが、その大きな原因として「流出女子」問題がある。地方から東京、大阪などへの「人口流出」で、男性より女性の方が圧倒的に多いという問題だ

▼三重県も「流出女子」排出県の一つで、転入より転出が多い「転出超過」はほぼ全市町村で起こっていて、特に20~24歳の女性の転出が多い。その結果、県内の未婚の20~49歳の男女比率を見ると、どの市町においても男性が女性より多く、男女比率が1・0を超えている。三重県全体では1・39。これでは、少子化が止まるわけがない

▼なぜ若い女性は出ていくのか? 各種調査によれば「希望する業種・職種の仕事がない」「地方ではキャリアを積めない」からだ。また、まだ色濃く残る「女性差別」問題もある。男性より賃金が低く、仕事もジェンダー別の役割分担になっている

▼じつは、これは日本全体の問題でもある。世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数ランキングで日本は世界125位という最悪の女性差別国家だ。そのため、地方ばかりか国を見捨てて海外で働く「出国女子」も激増している。