AI活用コンで2位、経産大臣賞 鳥羽商船高専学生チーム、伊勢市長に報告 三重

【コンテストでの受賞を報告した鳥羽商船高専の学生ら=伊勢市役所で】

【伊勢】高専生がAI(人工知能)とものづくり技術を活用したビジネスプランを競う「全国高専ディープラーニングコンテスト」で、鳥羽商船高専(三重県鳥羽市)の学生チームが、プラスチックごみの分別とリサイクルを促進するプランを提案し、2位の経済産業大臣賞を受賞。このほど、伊勢市などに在住する学生らが、市役所で鈴木健一市長に報告した。

チームが提案したのは、材質の異なるプラスチックごみを分別し、資源の有効活用につなげる企業向けサービス「りぷら」。プラスチックは、PP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)など材質はさまざまで、再利用には材質別に分ける必要があるが、判別が困難。そこで、スマートフォンに独自開発したアタッチメントを組み合わせる小型材質判別機を考案した。判別機にプラスチックをかざすと、対象物にLED(発光ダイオード)を当て、その反射光を測定してデータをAIで解析し、4種類の材質に判別する仕組み。判別機を企業に提供し、そこで分別されたプラスチックごみを無料で引き取り、リサイクルに回し、循環活用を図る。

コンテストの本戦が、4月に東京都で開かれ、全国から1次、2次審査を通過した10チームが出場。各チームがプレゼンを行い、投資家らが審査し、同チームは企業評価額3億円の評価を受け、経済産業大臣賞を獲得した。

また、同校から出場した別のチームは、ミカン農家を支援するための農薬散布機と選果機のシステムを開発し、8位の文部科学大臣賞を受賞した。

市役所に、両チームの代表3人が訪問した。りぷらの開発メンバーで情報機械システム工学科5年小阪優太さん(19)は「1位は逃したが、頑張ってきたことが報われた。スマホとアタッチメントで誰でも手軽に分別できるのが強み。課題点を解決し、精度を上げて、ゆくゆくは事業化を目指したい」と意欲を話した。

ミカン農家支援システムの開発メンバー同5年川上祐汰さん(20)は「順位は残念だったが、実用化は決まっている。農作業の効率化、省力化で、農業者の力になれれば」と話した。