▼三重県議会代表質問の本紙要点採録で、前県政の県民参加予算について、「みんつく予算」という愛称も、県民投票の仕組みも一見県政の予算から消えたのは「なぜか」と稲垣昭義県議。事情はちゃんと知っているぞと言外ににおわせているのが透けて見える
▼前政権の目玉施策が次の政権でばっさり切られるのは国も地方も変わらない。前県政を一新させた北川改革が次の野呂県政でほとんど消滅し、鈴木県政は、新味が加わらなければ継続事業に力を入れようとはしなかった
▼県民の大きな関心を得て、アイデア不足やマンネリの県企画に風穴を開ける効果が期待された「みんつく予算」の行方もわかりきっていたが、議会での質問としては「なぜか」と尋ね、答弁としては「県民投票によって予算の使途が決まってしまうことへの指摘もある」(一見勝之知事)となるのだろう
▼「参加意識を持ってもらうことは重要だが、緊急性や広域性、整合性などの観点で優先順位を付ける必要がある」とも。が、県民投票復活も示唆したから、「優先順位の必要」はむしろ県職員の意向かもしれない。アイデアのなさは予算編成のたびに指摘されるが、限られた予算の削減には敏感だから、緊急性や広域性、整合性の基準を持ち込んで、自分らの施策のプラスアルファに利用したフシがある
▼県民投票で使途が決まるのは、県民参加予算の趣旨だろう。むしろ県職員は広域性だ整合性だと言って口を出し、結果県民企画とは別物の、誰も利用しない無用の長物を造ってお蔵入りにしたと外部監査で指摘されたことを反省せねばなるまい。