伊勢新聞

2023年6月3日(土)

▼恒例の「みえ県民1万人アンケート」は、生活満足度の平均が10点満点中5・84点で、国の昨年調査をわずかに上回り、県の前回比からはわずかに下回った。平成24年以降は、6点台後半で推移していたという

▼だからどうなのかはよく分からないが、長期的に不満が増えているということか。「県が注力している取組」について質問している。「強じんな美し国ビジョンみえ」の実現への加速が「注力」の具体例だそうで、筆頭が「災害への備え」、次いで「子ども・子育て支援」。「子どもが元気に育っている」が増えている一方、「子どもがほしい・ほしかった」「理想の子どもの数」は、昨年の県民意識調査比で減っている。成果は上がっていないということだろう

▼回答者の子どもの数も少なくなっていて、理想の子ども数と現実に差があることについては「お金がかかりすぎるから」が8割強、「仕事との両立」が半数ほど、「育てる環境」の未整備が2割強と続き、県民調査比ではそれぞれ微増か横ばい。やはり政策効果は出ていないようだ。国は第三子の支援を目玉にしているが、いつか小泉進次郎衆議院議員が「第一子を生むのが不安なのに、第三子支援策を強化して意味があるのか」と言っていた。アンケート結果もそのことを支持している

▼地域別の満足度は「伊賀地域」「中南勢地域」「伊勢志摩地域」「東紀州地域」が前回より高くなり、「北勢地域」が下がった。一見勝之知事は自身の満足度について「仕事を横に置いておけば9点。自然豊か」。幸福とか欲望の中身を物語っている気がする。