▼三重県は警察や弁護士などでつくる建設工事不当請求防止協議会の規約を改定すると県議会常任委で報告した。不当請求される被害者は工事受注業者を前提にしていたが、熊野建設事務所の職員が要求されたため対応ができない。よって規約を改めるという
▼おや、まだそんなことを言っているというのが正直な感想だ。県職員が不当請求されて、慌てて協議会を開き、規約を改めることにしたか。あるいは、そろそろほとぼりが冷めたころと思ったか
▼同協議会発足のきっかけである桑名河川漁協組合長(当時)の恐喝容疑逮捕事件はじめ、県内各地での類似行為は、いずれも県職員への不当請求が始まりだった。連日、県事務所に押しかけたり、毎夜会合に呼びつけられ、精神を病む職員も出た。あぐねた県は受注業者に地元との調整を促した
▼「要はカネで解決しろということ」と業者らは供述し、捜査関係者は「事実上の共犯」とも語り、逮捕された組合長も「脅してはいない」と言っていた。そんなことをしなくても、お膳立てができていたと言いたかったのだろう
▼県が主張する新宮漁協理事(当時)の不当要求とは具体的にどんな内容か。不当請求を受けたら職員個人ではなく、組織として対応するという教訓は守られたのか。代表理事でなさそうだが、上流のダムの影響で水量が一定せず、アユの餌のこけが育たない。稚魚を放流してもウに全滅させられる。河川環境維持は事実上、漁協に委ねられている。組合としての県への正当な要求は多い
▼何が正当で何が不当か。県行政の透明性もこの際改める必要がある。