2023年5月22日(月)

▼スペイン・バスク自治州を訪問した一見勝之知事はイニゴ・ウルクリュ州首相と会談し、双方の発展に向けて協力し合う確認書に署名した。来県の求めにも前向き。事前には経済や環境などを担当する副大臣とも面会し、覚書締結済みの産業分野のほか、人口減対策などでも連携することで大枠合意した

▼松阪に進出している企業も訪問し、トップセールスもしたようでまずまずの成果といえようか。スペインと言えば姉妹提携しているバレンシア州との友好が気になるが、公式行事的には10年ほど途絶えているようだ。出発前の記者会見で、知事も気になってはいるが、両方訪問は困難と言っている。日本との交流で、昨年がバレンシアとの交流年で、今年はバスク。「バスクがいいとなり、バレンシアはタイミングをちょっと失している」

▼バレンシア州との交流について、県は国際リゾート「三重サンベルトゾーン」構想きっかけとしているが、実際はバルセロナ五輪やセルビア万博でスペインが注目され、民間有志が任意のスペイン協会を設立。旗揚げにスペイン領事が出席することになったことが国の危惧するところとなり、県での対応を余儀なくされた

▼事前交渉で訪問した副知事が、州首相と会うのにたまたま廊下を歩いている時に偶然出会った形を取るなど時代錯誤的様相で、政治主導の交流が息切れしてきたということか。バスク人はピレネー山脈の両側に住み、言語も独自で謎の民族といわれる

▼キリスト教を布教したフランシスコ・ザビエルの出身地で、ベレー帽の発祥の地。文化的交流も期待したい。