2023年5月21日(日)

▼鈴鹿市の県道交差点で4月28日、横断歩道を横断中の自転車が軽トラックにはねられ、32歳の女性会社員が頭を強く打って病院に搬送された。1月には横断歩道上で自転車の小学生がはねられ死亡している。運転者はいずれも過失運転などの容疑で現行犯逮捕され、容疑をほぼ認めている

▼歩行者が渡る意思を見せている横断歩道前は一時停止するルールは、一時の全国最低ぶりから大きく改善されたがやっかいなのが自転車だ。予想外の方向から猛スピードで現れて渡っていく。逮捕された運転者は別の車に気を取られていたとの趣旨を供述し、また「気付くのが遅れてぶつかったのは間違いない」

▼わずかなスキが大事故につながるのが交通事故だが、歩道や横断歩道を渡る自転車は原則、自転車を降りて歩くというルールは守られていたのかどうか、事故直後の警察発表ではほとんど明確でないし、発表はそれでおしまい。事故を教訓にする余地は少ない

▼県警は四日市市の県立朝明高校自転車競技部に「セーフティ・バイシクルリーダー」を委嘱した。模範的な自転車運転ができる高校生らに交通安全の大切さをアピールしてもらう趣旨。県警交通部長が「今年に入り自転車の事故で亡くなられる方が増加している。ヘルメットの重要性や自転車の正しい乗り方の周知をお願いしたい」

▼ヘルメット着用の努力義務化で自転車の安全運転キャンペーンが盛ん。ヘルメット着用率は徐々に上がっているようだが、事故件数は横ばいで、死者は前年比11人増。この機に自転車の正しい乗り方の徹底も願いたい。