▼物価上昇が続いている。4月の上昇率(CPI)は3・5%。前月比0・5%増で年率6・0%増。コアコアCPIは3・8%増で前月比0・6%増で年率7・2%増。一方、給料(一人当たりの現金給与の総額)は29万1081円で前年同月比0・8%増で15カ月連続の上昇だが、物価変動を反映した実質賃金は、前年同月比2・9%減で12カ月連続の減少
▼その結果、家庭は節約を強いられ、3月の家計調査によると、2人以上の世帯が消費に使った金額=消費支出は1・9%減少した。この状態は明らかにスタグフレーション(不況下のインフレ)だが、不思議なことにメディアはこの言葉を使わない。さらに不思議なのは、日銀が依然として金融緩和を続けていることだ
▼植田和男総裁は、先月の金融政策決定会合で、「基調的な物価は徐々に上昇し始めているが、持続的、安定的に2%に達していない」と、その理由を述べた。基調的な物価とは何か? 意味不明
▼中央銀行は「通貨の番人」と言われ、物価の安定を図ることが使命。しかし、目の前で燃えているインフレという火事を消す気はないようだ。