2023年5月1日(月)

▼新型コロナウイルスの「5類」移行で大型連休が賑わいを取り戻す中、東海3県知事会議は28日、「ウイルスの特性は変わらない」「自覚を持ったメリハリのある対策を」など、連休中の共同メッセージを出した。古田肇岐阜県知事は「増加の兆しが見えている」。一見勝之三重県知事は「もっと増える可能性もある」

▼「可能性」は言い出したらきりがない話だが、「兆し」は何らかのデータや観測に基づいているのではないか。一日当たり新規感染者の数は県に比べてかなり多く、愛知県はさらにその2倍超。大村秀章知事もすでに25日に「メリハリのある対策」を求めるメッセージを出し、古田知事も「(5類移行後も)慎重な対策」を呼びかけていた

▼一見知事は「(この日の)3県共同メッセージでもって、県民に呼びかけたい」。愛知、岐阜両県知事の緊迫感に気圧された感がある。5類移行が決まって以降、県が出したメッセージは観光振興や産業支援。来月のスペイン・バスク自治州訪問もそれらが主な狙いで、新たな連携を模索する

▼1月の台湾訪問はコロナ禍ながら「緊急に何か手を打つ状況ではない」として出発した。来月のバスク訪問にもはやコロナへの注意はない。「兆し」があっては困るということでもあろう。昨年の3県知事会議は5日早い22日。メッセージはマスク会食や事前のPCR検査など盛り込んだ。大村知事は例年の連休明けの感染拡大に警戒し、古田知事はオミクロン株変異への危機感を語り、一見知事はその強毒化の可能性を指摘した

▼3人の認識はぴったりだった。