2023年4月29日(土)

▼日本は「総スマホ依存症社会」に突入した。精神科医は、「最近は高齢者のスマホ依存症患者が増えています。SNS(交流サイト)のやり過ぎでうつになったり、逆にキレやすくなったりしています」と言う

▼総務省の調査によると、高齢者のスマホ利用率は80%を超え、利用は全世代に広がっている。その結果、四六時中SNSに接続していないと落ち着かないスマホ依存症患者が激増している。ただし、世代によって使うSNSに違いがある。例えばフェイスブックやツイッターは「老人SNS」とZ世代からはやゆされている。しかし、一人暮らしの高齢者(独居老人)には便利なツールだ。情報収集、連絡、交流などネット上で全てでできるので、孤独に陥らないですむ

▼ところがやり過ぎると孤独は助長されると言う。SNSがなければ知らなくて済んだ他人の「リア充」が可視化される。また、いいね、フォロアー集めのために長時間やり続けると、脳の前頭葉が疲弊して、感情のコントロールが効かなくなる。脳と体の老化は進む一方になると言う

▼「アルコールや薬物依存と違いスマホ依存には効く薬がありません」。日本人の精神はこのまま病んでいくばかりなのか。