2023年4月27日(木)

▼三重県民にはあまり関係ないことでも、中に入ってみると気になることはあるものに違いない。一見勝之知事の「会議の名称に違和感がある」の鶴の一声で、知事がトップを務める庁内12の会議のうち「本部」や「本部員」の文言を含む10の会議が、名称から「本部」などを削除することになった。各「推進本部会議」が「推進会議」になる。知事の「違和感」の正体は分からぬが、大げさや無駄が気に障るのかもしれない

▼残りの2会議のうち、一つが三役、部長(級)全員が出席する「庁議」。田川県政当時は「重要政策会議」と呼んだ。どれが重要政策、とちゃかされたわけではないが、北川正恭氏が知事になってすぐ変更した。「重要政策というより、普通に庁議だろう」と言ったが、大げさな、という気があったのではないか

▼知事選で県庁は組織をあげて対立候補を応援したため、北川県政誕生に戦々恐々としていた。「知事へのそんたくが過ぎる」なんて声はクスともでない。「知事の方針に従うのがいい公務員だ」と言い合って足下にひれ伏した

▼庁議は現在に続くが、係長も室長も課長も次長も、そろって「マネジャー」にされた時は不満たらたらだった。縦割りから横割りへの組織の転換が狙いだったが、県庁外からも苦情が出たのは、責任者は誰か、誰により大きく頭を下げればいいのかが分からぬことへの、日本ならではの不安だろう。野呂県政とともに、早い段階で打ち切られた

▼組織は時代の変化とともに変わり、変えていくものだろう。名称だけ変えれば事足れりというものでもむろんあるまい。