伊勢新聞

2023年4月22日(土)

▼松阪市は「伝わる広報文書作成マニュアル」を作った。「所管する」を「担当する」に書き換える「お役所ことばは使わない」など注意点13項目を載せている

▼保育士資格を持つが保育施設で働いていない「潜在保育士」の登録を昨年募集したところ、なかなか集まらない上、市民から潜在保育士の意味が分からないと苦情を受け、マニュアルを作成するきっかけになった。潜在能力に引っ掛けた造語のようだが、「潜り」は正式の許可を得ないで物事をする人を意味する

▼マニュアルでは「法令・専門用語は分かりやすい言葉に言い換える」として、「供用開始→利用できます」「特別徴収→(年金などからの)引き落とし」などを例示している

▼「あいまいな表現はしない」「一文を短くする」「人目を引くタイトル」と呼びかけ、「記者ハンドブック」(共同通信社)とそっくり

▼「お役所ことば」とは別に「政治家ことば」がある。言い換え不要なほど分かりやすい言葉だが、びっくりするほど内容がなく伝わらない

▼例えば「丁寧に説明する」「しっかりと」「きちんと」。ただ何か訴求力はある。