伊勢新聞

2023年4月14日(金)

▼県議選の結果について「残念な結果」と過去最低となった投票率について一見勝之知事。同感。「若い人に投票に行ってもらうため、どんなことが考えられるのかを検討したい」。若者の投票率が特に気になったか

▼県議選と分離した次回知事選を思えば人ごとではあるまい。一因にあげられるのは18歳以上に選挙権が引き下げられて以降、主権教育が低調だったこと。18、19歳に絞った投票率割り出しも特にやってこなかったのは全国的にも珍しい。どうやっても議会などから注文のつく主権者教育であり、触らぬ神にたたりなしのツケが回ってきていると言えなくもない

▼都道府県議選で、最大の特徴は女性議員の躍進らしい。県の場合は前回同様の六人で、それほど実感のない結果とはいえ、山本佐知子氏が国政に転出した空白を女性としては初の無投票当選で埋めた格好で、しかも定数が削減された中。全国の傾向を反映させてはいる

▼女性県議が1人だったころ、議場の議席配置で、交渉役のベテラン議員が「女が後ろになるのは気に食わんから、会派割の形をいびつにした」と言った。エピソードとして書いたら、当の女性議員が「(そのベテラン議員には)大変親切にしていただいており、そんなことがあったとは信じられません」

▼セクハラや男並みの活動を強いられるなど、女性議員の難しさは各方面で指摘されるが、県議会では特に差別事案になったことはない。いい意味でガラパゴス状態か。逆に問題点がぼやけてもこよう。30%の道は遠い。市町議員の条件整備をするのも女性県議の責務である。