▼三重県にとっては統一地方選前半の唯一の焦点、県議選が終わり、各党・団体の代表らが選挙戦を振り返ったが、個人的には、立憲民主党県連の中川正春代表の晴れ晴れとした笑顔を久しぶりに見た気がする
▼この数年、中川代表の表情にはしわが刻まれることが多かった。コロナのせいではない。衆参の国政選挙から知事選、今回の県議選まで、選挙態勢が固まらず、候補者選考も難航。見切り発車の連続だった。特に立民合流後は国民民主党との溝が深まり、参院選では決定的だった
▼一見県政に共産党を除くオール与党体制の県議会で、各党会派にそう大きな争点はない。県議選の最大の焦点は最大会派閥争いと言われた。にもかかわらず、過半数にほど遠い21人の候補者しか擁立できなかった。旧民主党系のひび割れ現象と無縁ではあるまい
▼最大会派狙いは、少なくとも自力達成は戦う前に諦めざるを得なかった。28人擁立し単独過半数をもくろんだ自民党は4人の落選で果たせず、津田健児県連幹事長は「悔しい」「厳しい結果」。推薦した自民4人が落選したものの、公認2人を当選させた公明党県本部の中川康洋代表は「相当な危機感を持ち陣営にも伝わった」とし、次期衆院選へ「常在戦場」と気を引き締める
▼共産党は現新入れ替わりで大嶽隆司県委員長は言葉を詰まらせ厳しい表情。中川立民県連代表だけが「喜ばしい。三重県方式が生きた」と破顔一笑。「立民や国民、連合三重と一丸で戦った結果」と新政みえの稲垣昭義選対委員長
▼内向きの喜びということか。一人異次元を見ている気もする。