▼何かを調べたいとき、スマートフォンやパソコンに向かい、Googleで検索する。ほんの十数年前まで見られなかった光景はスマホの普及とともに広がり定着し、「ググる」という言葉まで生まれた。この景色が変化し、人類はまた新たな世界に移行するかもしれない
▼昨年末、米マイクロソフトが投資する米新興企業のオープンAIが対話ソフト「チャットGPT」を公開すると、マイクロソフトの検索エンジン「Bing(ビング)」とともに、その画期性に旋風が巻き起こった。核となるのが生成AI(人工知能)だ
▼例えば旅行したいとき、旅行プランを提案してくれる。俳句を作りたいとき、既存の検索では作成方法などが列挙されるだろう。しかしこの新検索ではAIが俳句を作ってくれる。それも自然な文章で、あたかもその向こう側で人が書いたように
▼誤情報や制度の問題、倫理面の対応、犯罪に利用される懸念など課題は多い。利用には新たな規制が必要になるかもしれない
▼それでも巨大IT企業による開発競争は激化し、テクノロジーの進化はとどまるところを知らない。新しい扉はすでに開かれている。