▼昨秋、自宅ベランダのプランターに初めてまいたホウレンソウの種が、2度目の収穫を迎えている。伊勢の知人にもらった在来種の種だったが、まいてすぐ芽を出し成長したものは昨年12月ごろ収穫して食し、それで収穫は終わりだと思っていた
▼ところが寒さ厳しい1月半ばごろ、秋の種まきから芽を出さずに土中で休眠していたとみられる種が芽を出し、ゆっくりと育ち始めて、その生命力に感心させられた。寒の時季を経て立春が過ぎ、寒さが緩んでくると次第に葉数が増え、丈も伸びた
▼茶色っぽい小さな一粒の種の中に今、目の前で濃厚な緑色の葉をふさふさとならせているホウレンソウのデッサンが描かれていたことを不思議に思う。大自然の仕組みに感謝したい
▼ロシアとウクライナの戦争で食料やエネルギーの不足、価格高騰が言われるが、食べられる野菜を一種類でも自宅で育てるのが、自分にできる「食の安全保障」ではないかと思っている。自己流なので失敗も多いが、栽培の常識にとらわれず、楽しみながらやっている
▼いわゆる家庭菜園の普及が、食の安全を守る一助にもなるだろう。