伊勢新聞

2023年3月7日(火)

▼「なめているのか」と、20年後という県庁改築計画に、舟橋裕幸県議が批判した。「生きている間に庁舎は完成しないのか」の趣旨の発言も。県議会棟が完成した昭和62年、「一度は議席に座りたい」という同年4月の県議選で引退する議員らのために仮引き渡しを受けて2月本会議を新議会棟で開いた。似た思いか

▼「職員の声を代弁」とも。「背中が当たる」「会議室はほとんどない」がその声か。岐阜県庁が昨年末完成し、お隣JA三重ビルが起工式も刺激という

▼ゼロ金利で農協経営は悪化して農林中金の配当金頼りだが、その農中も収益悪化で配当金停止を金融庁から示唆されているというが、農林水産省がバックだから各単協は驚かない

▼県内でも新庁舎建設が相次ぐ。JA三重ビルも当初50億円の予算が80億円に高騰し、二階分短縮し64億円にしたが、それで収まるまいといわれる。建設の意義を問う声もあるが、幹部らに聞く耳はない。どこか県と似ている

▼現県庁が入札結果を議会で不承認になったことはよく知られる。予定価格の最低制限価格を下回り、一社を除き全社失格になったことに議会が反発したのだ。議会棟は、その時受注に応じた業者が失格となり、日本一、二の設計業者も単純ミスで失格

▼職員トップと県議が連座した防災センター汚職の再発防止策で土木部から総務部に移した営繕課の業者指名で業界が大混乱。総務部幹部は「こんなことをしてどうなるか、あいつら(営繕課)知らないはずはない」と唇をかんだ

▼県庁舎、議会棟も疑惑まみれのことも忘れてなるまい。