伊勢新聞

2023年2月24日(金)

▼三重県警が統一地方選に向け事前運動取締本部を設置した。県内は県議選をはじめ10市町首長、議会議員選挙が行われ、約2カ月間は選挙ムード一色になる。が、その中心となる県議選について、県議会で投票率低下への危機感が語られた

▼「有権者の半数以上が投票に行っていない」と4期の津村衛県議(尾鷲市・北牟婁郡選出)。選管に奮起を促しつつ「政治に携わる私たちも訴える必要がある」。津村県議が初当選した平成19年は56・54%だったが3期目の同27年選で50%を割り、前回の同31年選は48・95%とさらに下降した

▼津村県議自身は今期で引退を決め、そのために東紀州選挙区は無投票の公算が強く、言動一致に疑問符が付いて、津村氏の訴えの効果自体、あまり期待されていないふしもあるが、引退するからこそ、最後に本音、あるいは続投議員に託す気持ちがあったのかもしれない

▼4年前の財政ひっ迫は選管事務にもおよび、前回選はより効果的啓発が求められる一方、無駄の排除が義務づけられたから投票率が上がるはずがないのも当然だが、議員定数を巡り二転三転して市町議会や各種団体から抗議や不信の声が上がるなど、議会の信頼性が問われたことも間違いない

▼「4年間の活動の採点を県民から受けるのが選挙」と言ったのは元議長の上野一人氏。議員としての採点は得票数だが、議会としての採点は投票率だろう。性的少数者や旧統一教会問題など、この4年間も、有権者の耳目が注がれる問題はあった。及第点がつけられるようしっかり訴えたかどうかが、2カ月後に分かる。