▼今年のバレンタインチョコの売り上げ状況はどうか。コロナ禍で一昨年はかなりの落ち込み。昨年は持ち直し、今年はコロナ対策の緩和でさらなる拡大基調が期待されている
▼昨年2月の二週間程度でチョコは一説によると約1200億円売り上げた。菓子類の年間売り上げトップであるチョコレート約5500億円の実に21%強。バレンタインデーが日本に上陸したのは戦後だが、商業主義とともに昭和33年ごろ定着し十数年後、「女性が男性にチョコレートを贈る日」「義理チョコ」のアイデアで爆発的に流行した
▼プレゼント交換などの習慣のなかった日本人にとって「義理チョコ」「ホワイトデー」など日本独特の展開で、気の重くなりがちな2月を浮き浮きした気分にさせたのではないか。「本命チョコ」にまったく縁のなかった筆者も、初めて義理チョコをもらった日は鮮明に覚えている。それから約一カ月間、ホワイトデーのプレゼントをあれこれ考えるのは楽しかった
▼バレンタインデーは、兵士に結婚が禁じられたローマ時代、愛を説いて処刑されたカトリック司祭サン・バレンティノの名と処刑日にちなんでいる。日本に高級チョコを伝えたのはロシア革命を逃れて神戸に住んだ白系ロシア人バレンタインだったというのは、愛の象徴ともなったバレンタインチョコを思うと多少、因縁めくか
▼人権団体の活動テーマにロシアの侵攻に苦しむウクライナ人の支援が取り上げられたとき、バッシングがみられるロシア人の救済も、と提案したが黙殺された。チョコの功労者を知らなかったのかもしれない。