三重県産業支援センターは28日、東京都中央区日本橋室町の三重テラスで、都内の若者らと県内企業との交流会「ミナツドイ ミナツドエ」を開き、オンラインを含む約80人が参加した。若者の県外流出が進む中、就労などを通じて県外から若者を呼び込もうと実施した。
井村屋グループ(本社・津市)の浅田剛夫会長と浅井農園(同)の浅井雄一郎社長の対談があり、三重の魅力や地域との関わりについて意見交換した。
浅田会長は対談で、社会に出る若者が備えておくべきことや、企業が求める人材像について、「グローバル社会への対応力が求めれられている世の中で、まず英語ができないといけないと思われる人も多いが、どれだけ日本のことを知っているかが大事だ」と強調。「例えば日本の歴史などで、そのためには本をよく読むよう伝えている」と話した。
浅井社長は「今の若い人たちは意識レベルが高く有能な人が多い。しかし物足りなさを感じる時がある」と指摘。「情熱を燃やせる人に期待する。まず考えることが大事で、次に考えたことをいかにアクションに結びつけらるかどうか。その原動力は情熱を持つことだ」と強調した。
県内企業のトップランナー両氏による対談に、参加者らは積極的に質問をし、熱心にメモをとって聞いていた。また、両社の企業説明や移住やUIターンの紹介があった。
明和町出身で都内から参加した久保光さん(22)は「最近会社をやめてフリーで動画編集などの仕事を始めた。経営者の心構えなどを学べればと参加したが、よい刺激になった。これまでも三重への思いは強かったがさらに強まった。いずれは三重に戻り、活動したいと思う」と話していた。