▼県警察学校の卒業生がことしは男性14人、女性8人の計22人。卒業式の時期が例年より半年ほど違い、別に追加もあるのか。一回の卒業生としては昨年の40人、一昨年の45人から半減した形で、全国的に志願者が減少しているといわれていたことが県にも表れたかと少し心配になる
▼この数年、警察官の不祥事が、一般社会の犯罪との区別がつかない事例があり、戸惑うことが多い。小遣いが少なくさい銭泥棒に走ったなどの事件は全国ニュースにもなり、刑事ドラマや24時間密着などのテレビが伝える警察官の仕事とのギャップが大きい。幻滅したか
▼永井宏明学校長は式辞で「基本をしっかり守って積極果敢に挑戦し、県民の視点に立って行動」。県民の模範になれということでもあろう。誇りの持てる仕事といえるが、その分責任も重く、社会が注ぐ目というのも他の公務員以上に厳しい。いつぞや飲み屋の女性へのセクハラが問題になったが、警察官だからという側面はあり、ネットなどでは賛否が分かれた。常に行動を監視されているような息苦しさは感じるのかもしれない
▼やはり志望者減少が心配されているのが教員。少子化もあるが、過酷な勤務実態が敬遠の原因にあげられるという。警察官も「困り苦しむ国民を助け、不安を抱く人々に安心を与えるのが警察の源泉」(難波正樹本部長訓示)。「悪と対峙しひるむことのない強さ」(同)が求められる
▼日常勤務の厳しさが推定され、楽や効率に流れる今風に逆行するのかもしれない。若者よ「乃公出でずんば」の気概をと願うしかない。