伊勢新聞

ロボット支援手術を拡大 松阪中央総合病院、センター開設

【ダ・ヴィンチとロボット・内視鏡手術センターのチーム=松阪市川井町の松阪中央総合病院で】

【松阪】三重県松阪市川井町の松阪中央総合病院(田端正己院長)はこのほど、「ロボット・内視鏡手術センター」を開設した。ロボット支援手術の対象を泌尿器科に加え消化器外科に拡大し、26日に直腸がん患者の初手術をする。

同院は令和3年8月に手術支援ロボット「ダ・ヴィンチXi」を導入し、同年11月から前立腺がんの患者に対し全摘手術を始めた。これまで前立腺がん・腎臓がんの切除手術を47件こなし、消化器外科の大腸がん・直腸がんに対象を広げる。

ダ・ヴィンチはカメラと3本のロボットアームを医師が遠隔操作する。アーム先端に極小の関節付き鉗子(かんし)があり、狭い部位の手術がしやすく、患者と医師の負担を軽減できる。

担当医師は「肉眼とは見え方が全然違う。直腸がん切除は骨盤の中の狭い空間だが、陰になる所も見え、3Dで奥行きも分かる。機械なので手の微妙な震えを抑え、正確に狙える」「血管が分かり出血量を抑えられる。神経を傷つけず尿便失禁などの合併症率が下がっている」と長所を挙げる。

術後は改築して設けた、救急病棟横のICU(集中治療室)の個室へ入る。看護師1人が患者2人を担当する。

同センター長の雄谷剛士副院長は「導入後、手術成績は順調。ロボット手術が主流になってくる。センター化し、医師を育成しながら、適用症例を増やしていきたい」と抱負を語る。

奥田聖貴事務部長は「地域がん診療連携拠点病院として充実できた。ぜひ知ってほしい」と呼び掛けている。