一見勝之三重県知事は25日の定例記者会見で、引きこもりについて正しく理解してもらうためのハンドブックを作成したと発表した。当事者に社会や人とつながるきっかけにしてもらえるよう、オンライン上に「電子居場所」を開設したことも報告した。
県によると、引きこもりに関するハンドブックを作成した都道府県としては8例目で、東海3県では初めて。当事者や家族以外にもハンドブックを配布する都道府県としては、兵庫に次いで2例目となる。
当事者や家族への聞き取りなどを元に、引きこもり状態となったきっかけや当時の思い、支援を受けた変化などを紹介。民生委員・児童委員に実施したアンケート調査の結果や相談窓口も掲載している。
B5サイズで18ページ。概要版の3千部を含めて9千部を作成した。県こころの健康センター(津市桜橋三丁目)や市町の相談窓口、商業施設、コンビニに置いて無料で配布する。事業費は約96万円。
電子居場所は現場に行くのが難しい人にとって仲間づくりの機会となるよう、昨年11月に開設。引きこもり支援に当たっている5つの団体が運営し、当事者や家族らが支援員とウェブ会議システムで交流している。
一見知事は「当事者や家族以外にも、ひきこもりについて理解してもらうことが大事」と強調。「ハンドブックには体験談が分かりやすく書かれている。前に進むきっかけにしてもらいたい」と述べた。