この冬一番の寒気の影響で三重県内でも24日夕から25日にかけて、広い範囲で雪が降った。津地方気象台によると、津市では明治22年の統計開始以来、1月では過去最高値となる11センチの積雪を観測。北中部を中心に26日も断続的に雪が降り続く恐れがあり、引き続き大雪や路面の凍結による交通障害などに注意を呼びかけている。
津地方気象台によると、冬型の気圧配置が強まった影響で東海地方の上空に強い寒気が流れ込み、伊賀上野では25日午前6時55分ごろ、マイナス5・2度の最低気温となった。
同気象台では25日未明から早朝にかけて、県内全域に大雪警報を発令。菰野町潤田では午前11時ごろに28センチの積雪を観測したほか、四日市市曽井町で21センチ、いなべ市北勢町で10センチを観測した。26日正午までに予想される積雪は北中部の多いところで20センチとしている。
警察によると、24日午後4時―25日午後4時にかけて、県内では396件のスリップ事故が発生。このうち人身事故は14件で、男女14人が軽傷を負った。
また消防によると、24日夕―25日午後4時にかけて、路面の凍結に伴う転倒で男女27人が搬送された。このうち鈴鹿市では、60代女性と50代男性の2人が足などを骨折。また菰野町では渋滞中の車内で体調不良を訴えた30代男性一人が搬送された。
県災害対策本部によると、東海環状道の新四日市ジャンクション(JCT)―大安インターチェンジ(IC)間の内外線と、新名神上り亀山西JCT―四日市JCT間、下り四日市JCT―甲賀土山IC間と同亀山支線の亀山JCT―亀山西JCT間、東名阪自動車道上り芸濃IC―亀山JCT間と下り鈴鹿IC―芸濃IC間で一時通行止めが発生。一般道でも国道と県管理国道、県道合わせて九カ所が一時通行止めとなった。
このうち新名神では通行止めの影響で下り菰野IC―甲賀土山ICで十キロ以上の渋滞が発生。県境から西を含めると渋滞の長さは40キロ以上とみられ、中日本高速道路ではドライバーに飲料水や軽食、簡易トイレを配布すると共に段階的に車両を一般道に誘導する措置をとっているが、解消の見通しは立っていない。
鉄道は、近鉄とJR東海、同西日本と伊勢鉄道で一部区間が通行止めとなった。このほか三重交通と津エアポートラインの早朝便の一部で運行を見合わせた。
県内小中高を含めた公立学校では、212校で休校したほか、14校が自宅待機、104校が始業時間を繰り下げた。私立学校では、14校が休校、7校が自宅待機、1校が始業時間を繰り下げる措置をとった。