伊勢の等観寺で消防訓練 文化財防火デー

【本堂に向けて放水する消防隊員ら=伊勢市八日市場町の等観寺で】

【伊勢】文化財防火デー(26日)を前に、伊勢市八日市場町の等観寺で24日、消防訓練があり、消防隊員と寺の職員ら約20人が参加した。

訓練は、本堂から出火したと想定。職員らは、消防への通報や消火器を使った初期消火にあたり、寺が所蔵する文化財に見立てた箱を外へ運び出した。到着した消防隊員は、本堂に向け一斉に放水した。

訓練後の講評で、市消防本部の吉田均予防課長は「寺院は木造建築が多く、延焼しやすい。火災原因となるコンセント周りやタコ足配線など、十分に注意を払ってほしい」と述べた。

同寺は、1394年に創建したとされ、県指定文化財「雲版(うんばん)」や、市指定文化財の涅槃(ねはん)図など6点の文化財を所蔵する。伊藤公男住職(78)は「所蔵するのは、すべて江戸時代以前のもの。先人たちが伝え残した文化財を、『火の用心』の心得でしっかり守っていきたい」と話した。