【鈴鹿】26日の「文化財防火デー」を前に、三重県鈴鹿市若松中1丁目の大黒屋光太夫記念館で20日、消防訓練があり、参加者らが文化財の搬出訓練などをした。
文化財愛護思想の普及と防火意識高揚を目的に、同市中央消防署東分署が主催。新型コロナウイルス感染症の影響で、計画から3年越しの実施となった。
同記念館の収蔵庫には大黒屋光太夫の関連資料約500点が保管されており、そのうち、市指定文化財は光太夫が地元に帰ってきたことを示す古文書28点の「帰郷文書」など2件。
訓練には若松地区自治会や大黒屋光太夫顕彰会、若松消防分団などの計42人が参加した。
文化財の搬出訓練は、施設の電線引き込み線から出火したという想定で実施。通報後、安全確認した南若松自主防災隊や顕彰会の4人が、文化財に見立てた段ボール箱2箱を屋外に持ち出した。
そのほか、初期消火訓練や放水訓練もあった。
訓練を終え、若松地区自治会連合会の儀賀博實会長(68)=同市岸岡町=は「貴重な文化財が焼失しては元に戻せない。訓練で気を引き締めるとともに、日頃から心構えをしておくことが大事」と話した。