「度会県」5年で幕 三重県プロジェクト、関係人口低調

【県が廃止する「度会県」の公式ホームページ】

三重県は20日までに、関係人口の獲得を目的に実施してきた「度会県プロジェクト」を本年度末で廃止する方針を固めた。廃止の理由について「各市町で同様の取り組みが進んでいるため」と説明しているが、ここ数年は「人口」の伸びが低調だった。明治時代にあった実際の度会県と同じく、存続した期間は約5年間となる。

県によると、度会県プロジェクトは県南部の関係人口を増やすことなどを目的として、平成30年8月から実施。度会県は明治時代に実在した南部の県名で、県は「度会県復活」とうたっていた。

プロジェクトでは、県南部の移住者や地域の魅力を公式ホームページ(HP)で紹介。「度会県民」の登録者が地元の祭りに参加したり、都内などで度会県民同士が交流する機会を設けたりしてきた。

一方、度会県民の登録者は20日現在で1501人だが、この1年間で新たに県民となったのは30人程度で、ここ数年の県民獲得は低調だった。新型コロナウイルスの影響で、イベントも自粛を余儀なくされていた。

県は18日付で度会県の公式HPに廃止の告知を掲載した。公式HPとフェイスブックの公式アカウントは本年度末で運用を停止するが、ツイッターは公式アカウント名を変更した上で存続させる。

南部地域活性化局はプロジェクトを廃止する理由について「市町で関係人口を増やす取り組みが進んだため、目的は果たした」と説明。「来年度以降は違う形で関係人口の獲得に取り組みたい」としている。