三重画廊で「久保舎己の世界展」始まる 木版画127点一堂に

【木版画作品を紹介する久保さん=津市中央の三重画廊で】

【津】津市河芸町の木版画家、久保舎己さん(74)の個展が18日、同市中央の三重画廊で始まった。国内外で高い評価を受ける久保さんの初期からこれまでの作品計127点を展示販売している。22日まで。

久保さんは津市出身。美術学校で学んだ後昭和50年から独学で木版画を制作し、ドイツやポーランドで個展を開くなど国内外で高い評価を得ている。今展は同画廊の提案で自身これまでで最も多い点数を一度に展示した。

久保さんは「人間とは何か、自分とは何者かが作品のテーマ」と話す。家族をモチーフにした作品やアウシュビッツ、原爆ドームなど反戦の思いを強くにじませたもの、より単純な線で人型を表した近作などその時々の思いを多様な手法で表現した白と黒の世界が広がる。

久保さんは「いろんな意味で不自由な中を生きているが精神の自由は無限。シンプルだが広がりを持って表現できる版画の面白さを感じてもらえるといい」と話した。