伊勢新聞

補正予算を可決 三重県議会定例会が開会

【補正予算案を全会一致で可決した本会議=県議会議事堂で】

三重県議会の令和5年第1回定例会は18日開会し、会期を3月17日までの59日間と決めた。4月29日までの任期としては、最後の定例会。子育て家庭を支援する事業などに約221億9300万円を充てる一般会計補正予算案を全会一致で可決した。

一見勝之知事は開会に先立つあいさつで「県民生活が新型コロナウイルスや物価高騰の影響を受ける中、県の諸課題にしっかり対応する。まずは子どもの施策を充実させる。着実に成果を上げる」と述べた。

「県民の命を守ることが最大の使命」とし、南海トラフ地震などの対策を進めると強調。「県内は観光の魅力にあふれているが、発信力が弱かったと反省している」とし、観光振興に注力する考えも示した。

前野和美議長はあいさつで「任期最後の年。残された期間、県政発展のために最善を尽くす。議会が一丸となって県民の視点に立った監視や評価をし、未来に希望が持てる県となるよう取り組む」と述べた。

補正予算は子育て家庭を支援する費用に14億3700万円を計上。妊娠と出生の届出をした家庭を対象に現金10万円もしくはギフトカードを市町から配布するほか、子育ての相談体制を充実させる。

静岡県で通園バスに置き去りにされた女児が死亡した事故を踏まえた対策には3億1900万円を計上。登園管理システムを導入する幼稚園や送迎バスの安全装置を導入した小中学校への補助金に充てる。

防災減災関連の費用には204億3600万円を計上。来年度に予定していた道路整備や堤防整備などを国の方針を受けて前倒しして実施するほか、信号機のLED(発光ダイオード)化を進める。