▼立憲民主党で一昨年の衆院選で落選した同党岐阜5区総支部長が4月の岐阜県議選に自民党から出馬すると思うと、昨年参院選比例区で当選したタレント議員が辞職し、繰り上げ当選する候補者が一年ごとに辞任を繰り返し、残り任期を五人で全うするという。制度の趣旨などお構いなしの何でもありの時代である
▼政党の離合集散は世の習い。今に始まったことでもない。自民から民主、民主から自民の政党移動は平成21年の政権交代でよく見られた。政権奪取が政党の起源。政策うんぬんは末梢的ことかもしれない
▼役職の任期を一年ごとに区切って交代して使う方法は、県議会正副議長で県民にはおなじみ。議員任期と同じ四年への経過措置で二年交代となり、すぐ逆に一年に戻ったりした。議員任期中に議長就任の可能性があるからこそ、議長を目指す最もいきおいのある議員らが周囲の目を意識しわがままを押さえる効果もある
▼趣旨とは別に小刻みに使う〝考え方〟は議員だけの便法ではない。〝抜け穴〟捜しに一日の長があるのは県職員で、かつて特勤・特昇の制度があった。税務課には収税担当以外の内勤者にも「課一丸となって取り組む」という名目で特別手当がついたし、顕著な功績者への特別昇給を、功績とは関係なく順番に全員に割り振った
▼県議会議長任期は、議会改革先進県といわれる前は「(一年の)申し合わせ任期」とされていた。二年から一年へ戻した後は立候補表明で一年での辞職を公言するのが恒例になった。理屈とこう薬はどこにでも付くというのは、どこにでもある話である。