やぐら5基、火柱高く燃ゆ 四日市「東富田どんど祭り」 三重

【高く燃え上がるどんどの火柱=四日市市東富田町の西広場で】

【四日市】一年の海の安全と豊漁、無病息災を祈願して巨大なやぐらとともにしめ飾りなどを燃やす伝統神事「東富田どんど祭り」が14日夜、同市東富田町の西広場で3年ぶりに開催された。例年は15基のやぐらを建てるが、コロナ禍で5基に縮小して実施した。同地区自治会主催。

北1番基から南5番基まで並べたやぐらは、高さ約6メートル、直径約5メートル。マツの木を芯に、モウソウチク15本で円すい形に組み上げ、稲わら約100束をつるしている。

午後6時を合図に祭礼委員らがお神酒で清め、北から南に向かって順に点火。やぐらはタケのはぜる音を響かせ、火の粉をまき散らして一気に燃え上がった。見物客や地域住民らが遠巻きにして見守り、針金に吊るした鏡餅をおき火で焼いて無病息災を願っていた。

東富田地区連合自治会の渡辺文一会長(74)は「これまでは15町が各1基ずつ制作してきたが、稲わらの調達が困難なこともあり今年は3町で1基とした。コロナの一日も早い終息を願いつつ、人と人とのつながりを大切に、地域の鯨船(くじらぶね)行事とともに伝統を守っていきたい」と話していた。