伊勢新聞

医療ひっ迫、三重県アラート 新型コロナ感染増加

【定例記者会見で「医療ひっ迫防止アラート」の発出を発表する一見知事=県庁で】

新型コロナウイルス感染者の増加に伴って医療体制への負荷が高まっていることを受け、三重県は13日、県全域に「医療ひっ迫防止アラート」を発出した。医療機関の適切な受診などを呼びかけている。

アラートは「医療機関が緊急的に病床を確保しても病床使用率は高い水準。今後さらに感染者が増えれば通常医療への影響も懸念される」と指摘。「必要な医療を受けられない状況に陥りかねない」とした。

その上で、ワクチンの積極的な接種や高齢者に感染を広げないための対策などを徹底するよう要請。検査や診断を目的とした救急外来や救急車の利用を控えるよう呼びかけている。外出自粛は要請しない。

県によると、12日時点の病床使用率が第七波の最大(61・1%)を上回る66・4%に達し、直近1週間の救急搬送困難事案も第7波の最大(20件)を上回る23件に上ったことなどを受けて発出した。

昨年11月25日から発出している「感染防止行動徹底アラート」を切り替える形で発出。期限は定めていない。さらに医療体制への負荷が高まれば「医療ひっ迫防止対策強化宣言」の発出も検討する。

一見勝之知事は定例記者会見で、感染状況について「潮目が変わった。医療機関は相当に厳しい状況」としつつ「第7波のように外来の窓口などが混乱しているような状況には至っていない」と述べた。

7日から台湾を訪れたことの是非については「当時は感染状況が収まる可能性があった」と説明。「担当理事と連絡を取っていた。いざとなれば帰ることも考えたが、そこまでしなくて良かった」と語った。