半導体企業に追加投資を要望 一見三重県知事、台湾訪問

【台北市のホテルで張局長(右)と記念品を交換する一見知事(県提供)】

台湾を訪れている一見勝之三重県知事は9日、県内に進出している現地の半導体企業に追加投資を要望した。航空会社では、観光需要の拡大を見据えて中部空港(愛知県常滑市)への増便を求めた。

県によると、一見知事は桑名市に工場があるユナイテッド・セミコンダクター・ジャパンの親会社で、台湾の半導体企業UMC(新竹市)を訪問。新たな設備投資や半導体に関する人材育成への協力を求めた。

同社のジェイソン・ワン社長は桑名市内の工場について「コロナ禍でも成長を続けている。将来的な投資も検討したい」と返答。人材育成も「技術と生産の経験を生かして全面的にサポートしたい」と語った。

中部国際空港の犬塚力社長とチャイナエアライン本社(桃園市)も訪問。「コロナ前のような活気のある往来の復活には航空便が不可欠」と述べ、感染拡大で減少した中部空港への航空便を増やすよう求めた。

同社の謝世謙会長は「航空業界の人員不足や日本の訪台需要が戻っていない課題が解決されれば増便を計画したい」と返答。中部空港を同社の貨物ハブとすることを検討していることも報告したという。

夜には台北市のホテルで開かれた夕食会に出席し、台湾観光局の張錫聡局長らと懇談した。新型コロナの感染拡大を受けた水際対策が緩和されたことを受け、双方の観光交流を拡大させる方針を確認した。

一見知事の海外出張は初めて。10日は産業や観光などの覚書を結んでいる高雄市を訪問した。8日は台北市の百貨店「新光三越」で開かれた県の観光物産展で県産品をアピールした。11日に帰国する。