伊勢新聞

七島池の修復成果を紹介 伊奈冨神社の氏子ら記念展 鈴鹿・三重

【工事の経過を紹介する写真パネル=鈴鹿市稲生西2丁目の市稲生民俗資料館で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市稲生西2丁目の伊奈冨神社庭園七島池で、平成27年―令和4年にかけて実施した島岸修復工事の終了に伴い、隣接する同市稲生民俗資料館で記念展「七島池をひもとく―古代庭園のこれまでとこれから」が開かれており、発掘調査や工事成果を報告する写真や絵画資料などのパネル約40点を展示した。令和5年3月31日まで。伊奈冨神社と氏子らによる同庭園七島池保存会主催。

昭和57年、県名勝に指定された同庭園は敷地面積約3100平方メートル。庭園の池中に7つの島があることから、通称「七島池」と呼ばれている。日本最古の七島式庭園として貴重な価値を持つ。

工事は経年変化による島の修復を目的に、県と市の補助事業として伊奈冨神社が実施した。

展示では工事経過を紹介する写真のほか、庭園史研究家で作庭家の森蘊(おさむ)氏が昭和56年に描いた七島池の直筆スケッチ画、県指定文化財「勢州稲生村三社絵図(室町時代後期)」など、貴重な絵画資料が並ぶ。いずれも原本の展示はない。

同神社では「庭園の歴史的価値や魅力を知ってもらい、保護の必要性について理解を深めてもらえれば」と話した。

問い合わせは同神社=電話059(386)4852=へ。