伊勢新聞

2023年1月9日(月)

▼正月行事の一つ、どんど焼きが7日、津市久居元町の川併神社であった。小正月(15日)に年神様を送るしきたりとされるが、どんど焼きの起源とされる平安時代の創祀の同神社は7日と15日に古くから行ってきたという。7日と認識してきた頭がホッとする

▼宮司と地区総代がはらいの儀式後、直径約4メートルのどんど場に火入れして、地域の人らが正月飾りをたき上げた。写真で見る限り、火のいきおいは強く壮観だ。15日に催す護國神社(津市)の案内に「廃棄物処理法で例外的に認められた風俗習慣上また宗教上の行事」

▼「正月飾り・古いお札・お守り等以外のものは燃やすことができません」。ゴミを持ち込む罰当たりはいないと思うが、おさい銭を懐にする神職もいる時代。注意するのにこしたことはない。「等」は何を意味するか。妙に俗世界に引き戻される気持ちにな

▼初詣でしたいつもの神社で終夜燃やすたき火の規模が小さくなっていた。柵が張られて、近づいてあたりにくい。「コロナで、人が立ち止まるのを避けたのかね」と、火守り番に聞いたら複雑な表情をした。リモート時代で、初詣もリモートで済ます人が増え、リアルに訪れる人は少なくなったのかも知れない

▼7日は五節句の「七草・人日」に当たる。人日は「人を占い、人を尊敬」する日。体の変調が起きやすい時期でもあり草がゆを食べる。秋の七草が観賞用なのに対し、春の七草は食用。古くは料理するまな板を7回たたき、外敵退散を願い、はやり歌を7回歌う

▼いずれも豊作の祈りに通じるが、当世風ではなくなっていく。