伊勢新聞

現場の空気感、キャンバスに表現 玉城町で野村さん新春個展 三重

【「現場主義」をモットーに伊勢志摩地域の風景を描き続ける野村さん=玉城町宮古のギャラリーボナール伊勢玉城館で】

【度会郡】三重県玉城町宮古のギャラリーボナール伊勢玉城館で、鳥羽市若杉町の画家で絵画講師の野村昭輝さん(80)の新春個展が開かれている。15日まで。

小学生の時、先生に作品をほめられたことがきっかけで絵が好きになったという野村さん。中学卒業後はバス整備士として働きながら油絵を描き続けた。

「現場主義」をモットーに、深呼吸のできる風景を求めて鳥羽志摩や近隣地域に出かけ、現場でしか感じることのできない空気感と色合いをキャンバスに表現。現在は作品制作に取り組む傍ら、絵画教室や生涯学習講座の講師を務め、後進の指導にも力を入れている。

21回目となる同展には、昨年描いた71点の中から38点を選んで展示。さまざまな場所で描いた漁港の風景、ピンク色のじゅうたんのように広がるコスモス畑、優しい色合いで仕上げた坂手島の夕景、繊細に表現した静物画などが並び、訪れた人の目を楽しませている。

野村さんは「作品を見て共感してもらえたらうれしい。絵を描くことによってできるご縁が私にとっての宝」と笑顔で話した。