伊勢新聞

2022年12月23日(金)

▼「虻蜂取らず」と書き出そうとして、少し前に書いたことを思い出した。県の首都圏営業拠点「三重テラス」の運営方針で雇用経済部長が「もうけることと発信を両立させたい」と言った時だ。将来への警鐘だったが、今回は、こうなるぞの例としてだ

▼サッカーのJFL鈴鹿ポイントゲッターズ・三浦泰年監督がパワハラ行為で日本サッカー協会(JFA)に一部選手から内部告発された。内部調査で、一部は認定されているという。八百長問題に続きパワハラ問題。一見勝之知事の心中も、そんな思いがわき起こったのではないか

▼鈴鹿市が県営鈴鹿青少年の森公園に建設予定だったサッカースタジアムの建設中止を同チームの運営事業者2者に申し入れた時、一見知事の残念ぶりといったらなかった。今後について「いろいろやり方がある」。基本は鈴鹿市の考え方として、1つに申請取り下げ、2にやり方の変更。Jリーグ仕様からレベルを下げて建設。その後上げていく案にも触れた。スポーツの杜の焼き直し

▼鈴鹿市長会見でスポーツの杜への変更案が出たと知り、強い不快感を示すとともに、県での事業化を否定し「全く青少年の森でなくなったかということもない」。未練たらたらなのだ

▼なにしろ、青少年の森は利用率が停滞。活性化策の要がサッカースタジアムだった。憩いの場となるカフェを民間資金で建設する案などもスタジアムあってこそだ。まず「鈴鹿市がどう考えるか」を繰り返すのも、逃がしてたまるかということだろう

▼パワハラ問題は、知事にとっては「泣きっ面に蜂」の方が近いか。