▼桑名警察署の47歳の男性巡査部長がパチンコ店で酔って暴れているという客を保護する際、顔や足に暴行を加えたとして減給処分の上、特別公務員暴行陵虐傷害容疑で書類送検され依願退職した
▼事件発生は10月5日。巡査部長はその日のうちに報告し、県警は事実確認して懲戒審査委員会で処分を決めた。県警も多少風通しがよくなったと言えようか。その割に、発生から処分まで2カ月強。少し時間がかかり過ぎの気はする
▼警官の制圧中の事故として記憶に残るのは、平成16年の誤認逮捕事件だ。窃盗犯と間違われた68歳の男性が警官に押さえつけられ、翌日に死亡。次の日に被疑者死亡で書類送検したが翌年、遺族から訴えられ、県警は適切な対応を主張したが、一、二審とも行き過ぎを認定。最終約3600万円の賠償を命じた
▼巡査部長は「申し訳ない気持ちでいっぱい」と謝罪したというが、「あおられ、抵抗されたことで憤慨して暴行した」と語る。複数で出動し、泥酔状態の相手に対し、我を忘れるほど憤慨するものだろうか
▼昔、夜中のウオーキング中に警官2人に職務質問を受けた。うさんくさそうな口調で「○○(盗み道具の隠語らしい)を持っていないか」などと言われ、立ち去ろうとしたら両脇を抱えられた。力を入れているようでもないが、身動きできなかった。警官の強さに舌を巻いた
▼憤慨しての顔への膝蹴りや足への蹴りの威力は分かる気がする。「問題点を検証し、職員の指導を徹底」と主席監察官。それより、気分によって抵抗できない県民を痛めつけない指導を願いたい。