2022年11月13日(日)

▼新聞記者に連なる身で、一見勝之知事が記者会見とは別に「記者との懇談の場」を設けるという必要性も意味も分からない。大方の県民はなおさらではないか

▼県政以外の質問に応じる場であり、後援会など政務に関し回答する場にするという。屋上屋ではないか。議事録は残さないという。それが狙いか。旧統一教会に前知事が祝電を送ったか―で、答えにあぐねることはなくなるか。臆測は広がる

▼選挙で選ばれる知事はむろん政治家だが、地方自治法はまた、知事は「普通地方公共団体の長」と定める。政治家であり、行政のトップの一人二役をこなす。問題が起きるのが公務外で多いのは確かだ

▼改革派知事として人気のあった北川正恭氏が「逆風がきつい」と言い出したのは、オレンジ共済からの選挙資金の不明確さから。野呂昭彦氏がつまづいたのは子息の覚醒剤問題。鈴木英敬氏は政務で追及されることが多かった。後援会長が県監査委員になっていたことが分かったのも、後援会についての記者会見での質疑からだった

▼自民党の海外視察団に一団員として加わった鈴木知事(当時)が公か私かを会見で問われ、県のために参加しているので公でもあるみたいな釈明だった。分けられないが、一見知事も後援会で答えたくないことがあるらしい。で、知恵を絞ったか

▼会見を公務と政務を分けるなど聞いたことがないが、県は政務の回答を控えたケースもあったという。睡眠事例を引っ張り出し、これがあるからできないというのが県職員、と言ったのは北川元知事。われわれはまた、それを見せつけられる。