2022年11月2日(水)

▼鈴木前県政を通じて財政難が叫ばれ、すべての施策に優先されたが、目を見張るような改善。県議会予算決算常任委で理由を問われた高間伸夫総務部長は交付税の追加配分などに加え「一部にボーナス的な要因があり」

▼ボーナスは本来、定期的に支給される賃金の割増分。むろん県の支給も査定に基づく賃金の割増分だが、我が国の場合、歴史的には盆暮れに使用人に与えられた「小遣い銭」が起源。現代でも同時期の「臨時の一時金」的意味合いで理解されていることが多い。高間部長の「ボーナス的」も、歴史由来のニュアンスを感じさせる

▼「財政難といえども」と、そのさなかに質問したのは県職員出身の舟橋裕幸県議だったか。何とか財源をかき集め施策に支障をきたさなかったのが、これまでだったではないかという趣旨の質問。今回は、それらに当てはまらない危機的状況というのが県当局の答弁だった。振り返ると、今度もちゃんと当てはまっている

▼危機的状況も改善も、県は論理的に説明して見せる。「どんな盾も突き破る」矛と「どんな矛でも破れない」盾を一緒に売り込まれている心地がする。「ボーナス的」にタナからぼた餅的な臨時収入、すなわち「濡れ手で粟の金百両」と、持ち主の夜鷹を大川に蹴殺してつぶやくお嬢吉三を重ね合わせたのはこちらの品性下劣からか

▼会計検査院が県内市町にコロナ臨時交付金使途について指摘している。多発する持続化給付金詐欺を連想したのは品性ならずともだろう。県も不適正使用ではベテラン。「不正」ではなく「不適正」とそのたび聞かされた。