2022年10月15日(土)

▼一見勝之知事の発言の危うさには定評がある。13日の定例記者会見で1日に開いた津、鈴鹿、亀山の3市長との「円卓対話」について「可能な限り一般に公開すべきだった」

▼新型コロナウイルスの感染防止対策を理由に一般の傍聴を閉め出していたという。それ以前の9回のうち鳥羽、木曽岬、東員の3市町長の対談も、会場の収容人数や市町の意向などで傍聴は排除していた。受け入れと排除は6対4。うち1回は3市だから、6対6の同数となるか。オンライン会議が一定の評価を得ている中で理解しにくい対応ではある

▼「円卓対話」の提案は昨年9月に就任した知事自身である。これまでも1期目の知事が市町長、県民との対話を実行してきた。趣旨はそれぞれ微妙に異なるが、県民に対するアピールであり、パフォーマンスでもある

▼いわば知事肝いりの催しについて、肝心の県民の不参加を、一見知事は外部から指摘されるまで知らなかったらしい。思いきり肩すかしを食らった気分なのではないか。そのやり場のない憤りが、公式の場ともされる記者会見で、身内の職員に対する非難を口走らせたのかもしれない

▼「多くの方に見てもらうのが望ましい」として地域連携部に検討を依頼したという。知事に叱責された気分だろう。褒める時は大勢の前で、叱る時は個別に呼んで、という。知事と職員の関係が気にならぬでもない

▼公文書を誤って廃棄した職員を処分しないことについて知事は「知事が厳重な注意をすることは重く受け止めると思う」。これも発言の危うさの一環などと言うのは、的外れか。